菜の花プロジェクト始動

こんにちは!僕は、資源循環の妖精「くるっち」だよ。

今日は、大木町の「菜の花プロジェクト」で推進している菜種油の元になる菜の花を栽培している今村さんの所にお邪魔しています。

大木町で菜種油を取って、家庭で油を使って、使った後の油を車の燃料に使って・・・循環システムの確立を目指して、前牟田西区の今村利光さんが、2haの菜の花を栽培されているよ。

今村さんが、10月11日に2,200本の菜種を蒔かれて、これは5日目の苗だよ。この苗は、前牟田西に住んでいる皆さんと一緒に植えるための苗なんだよ。菜の花の苗ってなかなか見ないけど、かわいいよね。早く大きくなりますように☆

そして10月20日、前牟田西区の皆さんが植える田んぼの畝立てをされました。

菜の花植えの日が晴れるといいな~

いよいよ前牟田西区の皆さんとの菜の花の定植!10月20日、ちょっと天気が曇って心配だったけど、何とか雨も降らずに植える事ができたよ。この日は、子供さんからおばあちゃん達の代まで35人の参加があって、みんなで楽しみながら植えられました。

きれいな菜の花が咲くといいなあ…

前牟田西区の田んぼの定植が終わってからは、いよいよ2haの田んぼに菜種をまく準備が始まったよ。11月11日、菜種を蒔く前の田んぼに、菜の花が大きく育つための元になる液肥が散布されたよ。これは、大木町の皆さんから協力して出してもらっている生ごみが循環されて発生した液体の肥料だよ。菜の花がこれで、菜の花が元気づくんだよ。

2haの田んぼに、11月12日、今村さんがいよいよ菜種を撒き始められたよ。

何万本いや、何十万本の菜の花が咲くかな…きゃー楽しみだね。

菜の花の芽がだいぶん出てきたところで、除草作業の意味も込めて、2月16日に土入れが行われたよ。これからももっともっと菜の花が大きく育ってくれるといいなあ。

視察についての良くあるご質問

視察研修☆質問FAQ

Q1:グループで行きたいのですが、何人まで大丈夫ですか?

A:45名様位の研修が可能です。それ以上のときはご相談ください。

 

Q2:大型バスが停められる駐車場はありますか?

A:隣接する道の駅の大型車用駐車場をご利用いただけます。

 

Q3:Bコースを申し込みたいのですが、子供たち(小学生)の食事メニューはありますか?

A:食事メニューにつきましては、アクアスの食事のページをごらんください。

 

Q4:見学行程を教えてください。全部でどのくらいの時間が、かかるのでしょうか?

A:視察の目的や、希望される時間に合わせた説明になりますが、通常であれば、
オリエンテーション、現場説明、質疑応答で、約1時間半くらいの行程になります。

 

Q5:アクアスって何ですか?

A:大木町健康福祉センター アクアスは、温泉、レストラン等を中心にした
多世代交流を目的とした福祉施設です。

伝習館高校 保健委員研究会発表会

「大木町における物質循環のとりくみについて」

 

 福岡県立伝習館高等学校定時制課程

3年  井口嘉奈子
3年  緒方 千恵
3年  末松 未来
2年  林  あこ

Ⅰ.はじめに

  6月19日、保健会の研修として福岡市の「まもるーむ福岡」を訪問しました。ここには「水」「空気」「音」「食品」「保健」「自然・生き物」などのテーマで環境について考えるコーナーがありましたが、それらの全体を通して「共生と循環」という視点で考えていくことが大切だということを、学ぶことができました。そのことを頭におきながら、伝習館高校としての研究テーマをどうするか、考えてきました。

 その時先生から、柳川市の隣町である三潴郡大木町で、「平成28年までにごみ処理をやめよう」という「循環のまちづくり宣言」(もったいない宣言)が出されているという話を聞きました。小さな町でどうしてそんなとりくみができるのか、まずは足を運んでみようということになりました。

 8月25日、おおき循環センター「くるるん」を訪ねて、担当の境公雄さんからお話をうかがい、生ごみ・し尿・浄化槽汚泥を発酵させ資源化する施設などを見学させていただきました。この「くるるん」は、第1期工事が平成18年11月に完成して、稼働しています。平成21年度までに第2期工事を完成させる予定とのことでしたが、境さんは、「ここは決してごみ処理施設ではありません。生ごみなどをバイオマス資源として積極的に地域で循環利用するための施設です。また循環のまちづくりの拠点として、循環型社会や自然環境に関する学習をしたり、豊かな地域の食材を提供したり、地域の皆さんが集まるための施設です。」と話されていました。2期工事では、農産物直売所や郷土料理館ができることになっているそうです。

 ごみ処理施設は多くの場合、迷惑施設として地域の住民に嫌われていますが、この「くるるん」は町の中心部にあります。「生ごみ」や「し尿」を持ち込んでいますが、ほとんど臭いがありませんでした。資源として再生させるわけだから、住民から嫌われてはいけないわけです。

 以下、当日見学したことを中心にして、大木町のとりくみを報告します。

Ⅱ.大木町における物質循環のとりくみについて

 1.大木町とはどんな町

 三潴郡大木町は、福岡県の南西部に位置し、筑後平野のほぼ中央にあります。大木町の周囲 を、久留米市、筑後市、柳川市、大川市が取り囲んでいます。

 町全体が標高4~5mのほぼ平坦な田園地帯です。町の総面積の約14%を占めるクリーク(堀割)が、町全体を縦横無尽に走っており、日本有数のクリーク地帯です。

 総人口は約1万4千人あまり、世帯数は4,443世帯です。主な産業は、米・イチゴ・キノコ・アスパラ・い草などを中心とした農業です。

 現在本校定時制には、大木町から3名の生徒が通っています。

 2.循環のまちをつくるとりくみ(基本方針)

(1) ゴミを出さないまちづくり

  大木町は、2008年3月11日、町議会の議決を経て、もったいない宣言(ゼロウェイスト宣言)を公表し、2016年までにごみの焼却・埋め立て処分をしないまちづくりを目指すことを宣言しました。ゼロウェイスト宣言は、徳島県上勝町に続き、全国で2番目です。 

 「もったいない宣言」の具体的な内容については、後ほど紹介します。

(2) バイオマスの利活用

生物資源を積極的に活用していく方針を認められ、大木町は2005年にバイオマスタウンの認定    を受けています。具体的には、

ア. 生ごみ・し尿・浄化槽汚泥を発酵させ、得られるメタンガスによって発電し、残液を有機肥料とし  て土に返しています。これが<有機資源循環事業>で、これについては、後ほど詳しく説明します。

イ.廃食用油を軽油代替燃料(BDF)に変え、役場のディーゼル車の燃料として使います。これは、<菜の花プロジェクト>と呼ばれています。

(3) 再生可能エネルギーの普及

ア.太陽光発電の普及
  ・アクアス地域共同発電所の設立を目指しています。

イ. 町内の小学校全校に太陽光発電施設を設置。

ウ. 省エネルギー、太陽熱利用、木質バイオマスの活用。

3.具体的なとりくみ                                                  (1) 大木町もったいない宣言(ゼロウェイスト宣言)

  先ほども紹介しましたが、今年の3月に町議会で議決された宣言で、2016年までに、ゴミの焼却・埋め立て処理をなくすことを骨子にしています。

  

      大木町もったいない宣言(ゼロウェイスト宣言)

 子どもたちの未来が危ない

 地球温暖化による気候変動は、100年後の人類の存在を脅かすほど深刻さを増しています。その原因が人間の活動や大量に資源を消費する社会にあることは明らかです。

 私たちは、無駄の多い暮し方を見直し、これ以上子どもたちに「つけ」を残さない町を作ることを決意し、「大木町もったいない宣言」をここに公表します。

1.先人の暮らしの知恵に学び、「もったいない」の心を育て、無駄のない町の暮らしを創造します。 

2.もともとは貴重な資源である「ごみ」の再資源化を進め、2016年(平成28年)

 度末までに、「ごみ」の消却・埋め立て処分をしない町を目指します。

3.大木町は、地球上の小さな小さな町ではありますが、地球の一員としての志を持ち、同じ志を持つ世界中の人々と手をつなぎ、持続可能なまちづくりを進めます。

     

(2) 分ければ資源(資源物の20分別)

大木町では20分別を実施しています。13.廃油と17.生ごみはバイオマス資源として活用します。焼却・埋め立て処分をなくすためには、まず細かく分別することが大切です。

(3) 拠点としての「おおき循環センター くるるん」

「おおき循環センター くるるん」は2006年11月に第1期工事を終え、オープンしました。第2期工事は2009年度完成を目指しています。次のような特徴があります。   (所在地:三潴郡大木町大字横溝1331-1)

ア.生ごみ・し尿・浄化槽汚泥をバイオマス資源化する施設が中心ですが、これは決してごみ処理の施設ではない、と位置づけられています。

イ.「くるるん」は町の中心部に建設されています。この施設が環境学習や地産地消運動、交流の拠点、言い換えれば「まちづくりの拠点」となる事を目指しているからです。2期工事では、農産物直売所や郷土料理館がつくられる予定です。ですから「くるるん」は、再資源化の施設という他に次のような役割を担っています。

    (ア) 循環型社会や自然環境についての学習・啓発の場。  
    (イ) 自然エネルギーに関する体験学習の場。
    (ウ) 安全・安心農産物の消費推進の場。
    (エ) 地域住民が憩い・集う場。
    (オ) 都市と農村の交流の場。

(4) 地域における物質循環をめざして

 ア.環をつなぐ地域社会システム

 「くるるん」という施設を中心にして、私たちの食べ物となる有機物を大木町という地域の中で循環させる仕組みを作ろうとしています。具体的にいうと次のようになります。

  (ア) 生ごみを分別して収集します。
  (イ) これに、し尿・浄化槽汚泥を加え、「くるるん」のバイオガスプラントで発酵させ、バイオガスと有機肥料を回収します。 
  (ウ) 液肥を有機質肥料として農地へ返します。
  (エ) 液肥や堆肥を使った農産物を給食や家庭の台所で消費します(地産地消)。

 イ.生ごみの分別・回収

 このシステムが成立するためには、町内のすべての家庭・事業所が、生ごみの分別・回収に協力することが必要です。町では平成13年~15年の間に、モデル地域(500世帯)でのテストを繰り返し、改善を重ねてきました。そして昨年11月から町内の全域で生ごみの分別・回収を開始しました。事前にすべての世帯を対象に説明会を開いたとのことです。

 (ア) バケツコンテナ方式で収集します。これは山形県長井市のレインボープラン

方式を参考にしたものだそうです。

 (イ) 町内の全域で、ほぼ10世帯に1個の割合でバケツコンテナを配布します。毎週2回、前日に収集バケツを配布して生ごみを入れてもらい、それを「くるるん」に運びます。生ごみ処理は無料にしています。

 ウ.「くるるん」でバイオ資源に

 分別された生ごみは「くるるん」に運ばれます。ここでし尿・浄化槽汚泥と混ぜられ、「メタン発酵槽」に入れられます。嫌気性の条件下でメタン発酵反応が起こり、バイオガス(主成分メタン)と、黒色の残液が得られます。バイオガスは隣の発電装置で燃やされ、この施設の電力をまかないます。残液はパイプで液肥貯蔵タンクに蓄えられます。

 エ.液肥を土に返す

 予定では1年間に約6,000tの液肥(くるっ肥)が生産されます。これを肥料として使ってくれる農家の協力がないと、物質の循環は完成しません。液肥は主に、水稲や麦などの作物に利用されています。水田に施肥する場合は、水口から水と一緒に流し込むことになります。田んぼに水が入ってない場合や畑には、肥料散布車が活躍します。

 2007年度は、「液肥利用推進会議」に参加する55の農家が31.7haの水田で利用しました。福岡県減農薬・減化学肥料栽培基準に基づく特別栽培米の認定を受け、化学肥料の代わりに有機液肥「くるっ肥」を使用しています。

 (5) 菜の花プロジェクト

 食用廃油は、分別収集の13番にありましたように、別に集められて「くるるん」に運ばれます。ここでは苛性カリを触媒にしてメタノールを加え、エステル交換という化学反応を起こさせて、軽油の代替燃料に変えます。役場で使うディーゼルエンジン車の燃料として使われています。現在のところ、1月に約500㍑の油が集められているそうです。 

 

4.課題

 見てきたように、大木町は小さな町ですが、ごみ焼却処理をやめるというとても大きな課題に取り組み始めています。境さんは次のように話してくれました。

 「ごみは処理をするのが当たり前という考え方そのものを見直さなければいけないと思います。ごみは不用のものと思われていますが、よく見るとすべて資源からできあがっています。大量生産・大量消費・大量廃棄という現在の社会のあり方そのものを問い直すことが大切です。私たちの生活のツケを、子どもたちに残すことは許されません。このことを、まちづくりの基本にすえていきたいと思います」

 そうしたまちづくりを実現するための課題を、境さんはこんなふうにまとめてくれました。

(1) 地域で何ができるか

 基本は「ごみをつくらないこと」です。無駄な包装をしないとか、不用になった物を他の人が使いまわすこと(リユース)ができるような仕組みを、町としても考えたいと思います。キーワードである「もったいない」は、物を大切にするという日本独自の文化から生まれてきた言葉です。これを具体的な町の施策に生かさなければなりません。

(2) 国に制度として求めていく

 しかしながら、小さな町だけでできることは限られています。国に対して環境政策として次のような制度の確立を求めていきたいと考えています。

 ア.EPR(拡大生産者責任制度)

 これは物を作った人(多くの場合は企業)が、その再資源化の責任を持つという制度です。現在は例えばペットボトルの場合も、その処理(回収・再資源化)は自治体の仕事で、住民の税金が使われています。そうではなくてペットボトルをつくった企業、あるいは使った企業の責任で再資源化すべきだと考えます。今の商品の価格の中には、環境に関わる費用は入っていません。

   

 イ.デポジット制度

 製品の価格の中に、一定金額のデポジット(預託金)を上乗せして販売し、製品や容器が使用後に返却された時に預託金を返却する制度です。このことにより製品や容器の回収が促進されます。地域として取り組んでいるところもありますが、是非国全体で取り組みができるように求めていきたいと思います。

Ⅲ おわりに

  今回、大木町の取り組みの説明を聞き、また循環センターの施設を見学させていただいて、私たちが住む柳川市の隣町で、たいへん大きな意味をもつ実験が行われているんだなということに気づかされました。これは行政だけでなく、町の住民みんなの協力がなければ成功しないと思います。

  私たちも、隣町のことだと無関心でいるのではなくて、学んだことを少しでも日頃の生活に生かしていかなければならないと思いました。

 (感想)

・ 今までごみのことはそれほど真剣に考えたこともなく、ごみは増えるものだと考えていました。循環センターで勉強して、人間による地球環境の破壊を食い止めるためにも、ごみを減らし、限りある資源を無駄にしないようにすることが大事だと思いました。   (末松未来)

・ ごみは、捨てたらただのごみになるけど、分別してリユースしたら、何回も使えるし、資源を大事にすることになると思いました。   (井口嘉奈子)

 

地球の温暖化は予想より速い速度で進行と、WWF報告

2008年10月22日  CNN co jp

ロンドン(CNN) 地球の温暖化がこれまで予想されていたよりも、より速い速度で進行していると、世界自然保護基金(WWF)が21日、最新の研究結果を基にした報告書を発表した。2013─2040年には、夏の間の数カ月間、海氷が消滅する恐れがあると警告している。

地球温暖化については、昨年ノーベル平和賞を受賞した気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、危険な状況あると報告している。しかし、WWFは、IPCCが予測したよりも、より速い速度で事態が進行していると指摘している。

IPCCは今世紀末までに、世界の海水面が0.59メートル上昇すると推測していたが、WWFによれば上昇幅はこの倍以上になると見ており、沿岸部で暮らす数百万人が危機に陥ると警告。

また、気温上昇はすでに農作物にも影響を及ぼしており、ここ数カ月で小麦や大麦、トウモロコシの収穫量が減少したと見られている。また、欧州では北海やバルト海域の気温が観測史上、最も高くなったほか、地中海沿岸部では干ばつが増加した。

ティン博士は、「地球の気温は過去50年間、地球全体の平均から4倍以上の速度で、上昇してきた」と述べ、来年春に発表される詳しい南極の調査結果により、気候変動の影響がより子細に判明するだろうとしている。

「わたしのもったいない宣言」募集

大木町では平成20年3月11日、町議会の全員一致による承認に基づき「大木町もったいない宣言」を公表しました。無駄の多い暮らし方を見直し、これ以上子供たちにつけを残さない町を創ることを対外的に決意表明したもので、今後この宣言文をもとに具体的な取り組みを展開していくことにしています。

その第1弾として、「わたしのもったいない宣言」を募集します。

宣言するということは、自分の考えをまとめ、具体的な一歩を踏み出すということです。

自分の生活スタイルを見直し、持続可能な社会を作るために、是非あなたも、あなた自身の「もったいない宣言」を公表してください。

どんな内容でも結構です。気軽に参加してみてください。
皆さんの決意と行動が、明るい未来を創ります。

応募作品の中から抽選でステキな賞品をプレゼント!

第1次応募締切:平成20年10月24日(金)

申込方法は↓

参加単位:個人、グループ、企業、町内町外を問わず、どなたでも宣言できます。
応募方法:宣言文と氏名、連絡先を下記のメールアドレスまでお送りください。可能な方は、宣言文を持ったご自身(グループ)の写真データを添付してください。用紙サイズはA3程度でお願いします。
(Eメール ooki-junkan@earth.ocn.ne.jp)

「くるるん米」まもなく収穫

「くるるん」で生産した有機質や微量成分を豊富に含んだバイオガス液肥「くるっ肥」で栽培中の「くるるん米」は、現在順調に生育しており、まもなく収穫の時を迎えます。

5月に「くるっ肥」を散布した56haのうち46haのほ場では、福岡県減農薬減化学肥料栽培基準を満たす栽培方法での取り組みを行っており、大木町産のブランド米「環のめぐみ」が誕生する見込みです。

町民の皆さんが分別した生ゴミが、安全でおいしいお米になって帰ってきます。

町民の皆さんには今年も低価格での販売を予定していますので、ぜひご賞味ください。

くるっ肥を使って米づくりをする中村勝さん(前牟田東区)

「くるるん米は元気に育っています。」

太陽光発電機普及へ、半額目指す…「低炭素」行動案

7月26日3時6分配信 読売新聞

温室効果ガス排出を大幅に減らすため、政府が29日にも閣議決定する「低炭素社会づくり行動計画」案が明らかになった。

2050年の排出量を現状から60~80%削減する長期目標を掲げた「福田ビジョン」の達成に向けた具体策を示したもので、太陽光発電機器の価格を3~5年後に半額程度にする施策を打ち出す。火力発電所や製鉄所から排出される二酸化炭素(CO2)を地中に閉じ込める「CCS(炭素回収・貯留)」の実用化への道筋なども盛り込んでいる。

日本の太陽光発電の導入量は04年までは世界一だったが、05年にドイツに抜かれた。行動計画では「世界一の座を再び獲得する」ことを目指し、「思い切った支援策」を講じるとしている。05年度に打ち切った個人住宅での購入費補助の復活や、電力会社が買い取る太陽光発電の電力量を増やすことを検討する。

住宅向け太陽光発電機器の普及を図ることで、現在200万~300万円の価格が3~5年後に半額程度になるよう後押しする。導入量については、20年に現在の10倍、30年には40倍にするとしている。

温室効果ガスを大幅削減する「革新的技術」として期待がかかるCCSは、来年度に大規模実証実験をスタートさせ、20年までの実用化を目指す。

原子力発電所の建設についても、着実な実現を目指すとし、電力各社が新規建設を計画している13基の原発のうち、17年度までに9基を新設するとしている。

このほか、エアコンなどの家電製品や自動車ですでに導入され、エネルギー効率が最良の製品を業界の基準とする「トップランナー方式」を来年4月から建売住宅にも導入する。企業間で温室効果ガスの排出枠を取引する排出量取引制度は10月から試行を始める。

最終更新:7月26日3時6分

よくあるご質問にお答えします。

Q.バイオガスって何?

 A.生ごみや排泄物、植物など、生物資源をメタン発酵させると
  メタンガスを中心としたバイオガスが発生します。
  <容積割合でメタンガスが約60%、炭酸ガスが約40%の混合ガス>

Q.バイオガスプラントってどんな施設なの?

 A.バイオプラントとは生ごみ、し尿、浄化槽汚泥をメタン発酵させてガスを抽出し、
  エネルギーとして利用し同時に、発酵後に発生する消化液を有機肥料として
  農業利用する循環型の施設のことです。
  このプラントのシステムは、主に、酪農が盛んな、ドイツ、デンマーク、スエーデンなどの
  ヨーロッパ諸国で早くから実用化されています。近年では、完全密閉式で悪臭が発生せず、
  しかもバイオガスによるエネルギー利用ができて、しかも安価という利点が注目され、
  日本各地でも急速に普及し始めています

Q.まだ出来てない交流施設ってどんなところなの?

 A.バイオプラントに併設し、様々な施設を建設予定でいます。

  施設の内容は、循環の仕組みを学習する交流施設。
  バイオガスエネルギーや有機液肥を使った観光農園。
  郷土料理館や農産物直売所を計画しています。
  平成20年度の完成を目指してます。

Q.生ごみ、し尿処理施設って臭いは大丈夫ですか?

 A.バキュームカーや収集車の施設内受けいれの際には、
  高速シャッターが稼動すると同時に、部屋の気圧を下げ
  外気を吸い込みながら脱臭装置を通るため、施設外に臭い
  が漏れる心配はありません。
  また処理工程では、生物脱臭装置、活性灰吸着装置、薬液洗浄搭
  などの完璧な脱臭システムで臭いが発生しないための管理をしています。

 

Q.安全対策について教えてください。

 A. 有害な細菌・ウイルス類については、生ごみや浄化槽汚泥をドロドロに溶かす
  高温可溶化槽(55℃ 2日間) で殆ど死滅し、メタン発酵槽でさらに滅菌されます。
  最終工程では、万全を期して殺菌層(70℃1時間)も準備しており、この段階で
  細菌、ウイルスに加え植物の種子などまでも死滅します。
  また、発生するメタンガスについては引火性が低く、 比較的爆発しにくい気体ですが、
  細心の注意をはらってガスホルダーも2重、3重に安全性の高いものを採用しています

太陽熱暖房・給湯にグリーン熱証書 東京都が買取制度

asahi com (朝日新聞) 2008年6月27日6時49分

太陽熱を使った暖房・給湯機器を新たに取り付けた家庭に対し、節約できたエネルギー分を買い取る制度を、東京都が来年度から全国で初めて導入する。地球温暖化対策の一環。将来的には、二酸化炭素(CO2)の削減目標が達成できない企業などに節約分を売る仕組みも検討する。

都によると、電気、ガスの使用量抑制を目指し、1台あたり30万~100万円と高価なために設置が進まない太陽熱機器を普及させるのが狙いだ。節約できたエネルギー量を認証機関が算定し、都が金額に換算する。買い取ったエネルギーについては「グリーン熱証書」を発行する。

都は10年度から、大規模事業所にCO2の排出量削減を義務づけ、将来的には排出量取引も行うが、グリーン熱証書を排出量取引の売買対象とする案も出ている。

太陽熱機器は第2次オイルショック直後の80年代前半、全国で年間50万台が販売されたが、ここ数年は年間5万台ほどに伸び悩んでいる。都は10年度までに、太陽熱機器と太陽光発電設備を合わせ、計4万世帯で新たに設置されることを目指すという。(根本理香)

環境への“免罪符”か? 流行の「カーボンオフセット」を問う

nikkei BP net

ニュース解説

環境への“免罪符”か? 流行の「カーボンオフセット」を問う

2008年6月23    (森 摂=オルタナ編集長)

近ごろ、「カーボンオフセット」という言葉をよく目にする。自らの活動で排出した二酸化炭素(CO2)を排出権の購入などで差し引きゼロにし、手軽にCO2排出量を減らせる手段として、企業の社会貢献の一環や商品の販促にも使われている。だが「オフセットの仕組みや価格が分かりにくい」「CO2を削減する努力をしないで、免罪符的に使われているのではないか」などの批判も聞こえてくる。カーボンオフセットを正しい形で社会に定着させ、本当にCO2削減につなげるには、何が必要なのか。

カーボンオフセット寄付金の根拠は?
埼玉県の中堅リフォーム会社、OKUTAは昨年12月、社会貢献事業の一環として、収益の一部を「カーボンオフセット」に寄付することを決めた。

だが今年3月にカーボンオフセットのプロバイダー(仲介業者)から送られてきた「証書」を読んだ山本拓己社長は、腑に落ちなかった。

証書には、支払ったお金がどこに寄付されるのか、記述がなかったからだ。その代わり、証書には「1トン当たり4200円」という価格と、次のような説明があった。

CER(認証削減量)は、CDM(クリーン開発メカニズム)から得られる、国連基準に準拠した排出権です。このオフセットに用いられるCERは、京都議定書における日本の温室効果ガス削減目標にカウントされます。

「国連」や「京都議定書」という言葉で、何となくお墨付きがあるような気がしてくるが、この説明だけでカーボンオフセットの仕組みを完全に理解できる人は極めて少ないだろう。

仲介業者のホームページなどでは、「カーボンオフセット」とは「ある行動によって生まれたCO2と同量の排出量を、別の活動によって相殺(オフセット)すること」とある。例えば、飛行機に乗って化石燃料を消費したら、別の活動として木を植えるなどしてCO2の吸収をするのが一例だ。
環境への“免罪符”か? 流行の「カーボンオフセット」を問う
個人や一企業ではこうしたオフセットを自分でするのは難しい。ならばお金だけを払い、CO2を吸収する行為そのものは誰かに代行してもらう──というのが、カーボンオフセットビジネスの考え方だ。

その根拠は、冒頭で紹介した「証書」にある通り、京都議定書だ。同議定書で排出権取引を認めたことを受け、2005年に欧州連合(EU)がEU-ETS(EU温室効果ガス排出権取引)制度を創設。これに基づき、ロンドンなど欧州各地に取引所が設立された。

いずれもCO2の排出権を取引する電子取引市場で、ロンドン金属取引所(LME)やシカゴ穀物取引所(CBOT)と同様の国際商品取引所の1つだ。07年のEU-ETS全体の取引量は世界のCO2取引総量16億トンのうち11億トンを占め、EUの価格が「世界標準」として影響力を持っている。

これらの市場は、京都議定書のCO2排出削減目標を達成できない国や企業が排出権を買うために存在する。これが「キャップ&トレード」という仕組みであり、CO2排出量を目標以上に削減できた国や企業は、剰余分を市場で売ることで経済的なプレミアムを得る。それがCO2削減のインセンティブになるわけだ。

CO2の取引はこれ以外に、国連の認証のもと、先進国が途上国でCO2削減を伴う事業を実施し、そこから生じる排出権を売買するクリーン開発メカニズム(CDM)もある。日本で取引されているカーボンオフセットの場合、むしろCDMが多い。

手軽でスマートゆえ人気だが不透明という指摘も
日本では、企業の社会貢献の一環としてカーボンオフセットを購入する動きが目立つほか、カーボンオフセットを組み込んだ商品やサービスも花盛りだ。

「カーボンオフセット葉書」(日本郵政)、「カーボンオフセット型お中元ギフト」(京急百貨店)、「カーボンオフセット付き修学旅行」(近畿日本ツーリスト)、「CO2排出権付き飛脚宅配便」(佐川急便)──。いま日本では毎週のように新しいカーボンオフセット商品が生まれている。カーボンオフセットは企業にとって、手軽でスマートであるがゆえに人気が高まっているようだ。エコブームで環境配慮型の商品が注目されるなか、商品の拡販や自社イメージの向上も期待できる。
だが、カーボンオフセットについては、さまざまな不透明性が指摘されている。

1)プロセスの不透明性

科学技術振興機構・研究開発戦略センターの安井至・上席フェロー(前国連大学副学長)は「CO2を売買する企業がどのような基準で運営されているのか。クルマやテレビなど実体経済の商品と違って、CO2の実体はないに等しい。そのため、本当に言い値ほどのCO2の吸収がされているのか、それとも適当なのか、よく分からない」と指摘する。

2)価格の不透明性

そもそもCO2排出権の末端価格がいくらなのか、どうしてこの単価になるのかという説明がプロバイダーや企業からあまりなされていない。いま日本でカーボンの「末端価格」は1トン当たり4200円であることが多い。だが、なぜ4200円なのかという説明はあまりない。上述のEU-ETSの6月20日現在の価格は27.55ユーロ(約4600円)。これに準じているということであろうか。

3)目的の不透明性

実はこれがいちばん重要で、なぜカーボンオフセットをするのか、という問題だ。そもそもカーボンオフセットは、地球温暖化を防ぐため、個人や企業がCO2排出削減に向けて最大限の努力をしたうえで、それができない場合に「やむを得ず」行うのが筋。カーボンオフセットがその免罪符になっている側面すらある。

先進的な環境経営企業として知られる池内タオル(愛媛県今治市)の池内計司社長も、安易にカーボンオフセットに頼る風潮に批判的だ。「お金を出しただけで簡単に『地球に優しい企業』になれるのはおかしい。自力で徹底的に減らし、それでも無理な部分をオフセットするべきです」

同社は2015年に「カーボンニュートラル企業」、つまりCO2の排出による地球環境への負荷をゼロにすることを経営目標にしている。2010年まではCO2を可能な限り自力で減らし、限界まで減らせたと判断した時点で、植林によるオフセットの実施を検討するという。

同社が07年にまとめた「環境ダイエット宣言」によると、生産段階でのエネルギーの節約だけではなく、「できるだけ自動車通勤から自転車や徒歩に切り替える」「社有車は最短ルートを走る」など社員の行動改革も求められる。同社は現在までに、1枚のタオルの生産に必要なエネルギーを99年比で2割強減らした。

まずはCO2削減努力ありき
環境省は今年2月に「我が国におけるカーボンオフセットのあり方について」という指針を公表した。そこではオフセットの広がりに期待感を示す一方で、多くの問題があることを指摘した。排出量の検証や、第三者による業者や行動の認証の必要性に加えて、「オフセットが自ら削減を行わないことの正当化に使われるべきではない」と指摘した。

何より、京都議定書の枠組みでは、第一約束期間(08年〜12年)のCO2削減目標を日本が達成できなかった場合、そのペナルティとして、日本は国内で排出権取引ができなくなる。そうなった場合、日本国内で今以上に排出権取引が活発化することは期待薄になる。

CDM(国連のクリーン開発メカニズム)などでの排出権の国別購入シェアは、05年は日本が46%でトップ。06年は英国がトップ(世銀調べ)だったが、それも日本への売却が目的のケースが多いとされる。つまり、CO2排出権では事実上、日本が最大の「お客さん」なのだ。お金の行き先は中国(61%)とインド(12%)で7割以上を占める(06年、世銀調べ)。

とはいえ、カーボンオフセットは地球温暖化を防ぐ上で、1つの有効な枠組みであることに変わりはない。京都議定書で規定されたCDMは、先進国の資金を発展途上国の環境対策に還流させるのが目的で、それ自体は有意義な存在であると言える。

上智大学大学院地球環境学研究科の藤井良広教授は「カーボンオフセットに使われるCER(認証削減量、CDMからのクレジット)などの場合、発電量が一定しない自然エネルギーが多く、計画通りのCO2削減を確保できるか必ずしも十分に保証されていない面もある。だからオフセットなら何でも大丈夫というわけでもない」と指摘する。

「そうしたリスクを分かった上でなら、基本的にオフセットは寄付で見返りを求めるものではなく、環境に対する自分の意志を明確にするものだから、それはそれで結構なことだと思う。少なくとも議論だけして何も行動しないよりはいい」(藤井教授)。

カーボンオフセットの将来のためにすべきこと
今後、カーボンオフセットビジネスを正しく社会に広めるためには、次の3点が求められるだろう。

1)アクティビティ(activity)

買うより先に行動を。池内タオルのように、まずギリギリまで自社でCO2の削減をおこなったうえで、どうしても達成が不可能な場合、もしくはカーボンニュートラルまで目指す場合にのみカーボンオフセットを使うという順序立てが望ましい。

2)アカウンタビリティ(accountability)

お金の流れに説明を。企業が自社商品にカーボンオフセットを取り入れる場合、CO2の購入価格や、その資金の行き先をエンドユーザー(一般消費者)に開示すべきである。それはカーボンオフセットの信頼性を築くために効果的だ。

3)サステナビリティ(sustainability)

継続的な社会貢献を。環境対策を一時のブームに終わらせてはならない。他社もやっているから、世の中ではやりだからという理由で参入するのはまだ良いが、ブームが終わったからという理由で撤退するのは、エンドユーザーや第三世界の人たちの信頼を失うことになる。

カーボンオフセットはCO2削減のために有効な手段であり、それ自体は意義があるスキームだ。だからこそ、企業や市民にきちんと仕組みを理解してもらうことが重要で、それができれば今以上に拡大するはずだ。

森 摂(もり・せつ)
雑誌「オルタナ」編集長。東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。流通経済部などを経て1998年〜2001年ロサンゼルス支局長。2002年9月退社。同年10月、ジャーナリストのネットワークであるNPO法人ユナイテッド・フィーチャー・プレス(ufp)を設立、代表に就任。主な著書は『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年10月)など。訳書に、パタゴニア創業者イヴォン・シュイナードの経営論「社員をサーフィンに行かせよう」(東洋経済新報社、2007年3月)がある。