「くるるん米」まもなく収穫

「くるるん」で生産した有機質や微量成分を豊富に含んだバイオガス液肥「くるっ肥」で栽培中の「くるるん米」は、現在順調に生育しており、まもなく収穫の時を迎えます。

5月に「くるっ肥」を散布した56haのうち46haのほ場では、福岡県減農薬減化学肥料栽培基準を満たす栽培方法での取り組みを行っており、大木町産のブランド米「環のめぐみ」が誕生する見込みです。

町民の皆さんが分別した生ゴミが、安全でおいしいお米になって帰ってきます。

町民の皆さんには今年も低価格での販売を予定していますので、ぜひご賞味ください。

くるっ肥を使って米づくりをする中村勝さん(前牟田東区)

「くるるん米は元気に育っています。」

くるるんガイドマップ

施設名:おおき循環センター

住所:福岡県三潴郡大木町大字横溝1331-1 〒830-0405

電話:0944-33-1231
FAX:0944-33-1232

「くるっ肥」普通肥料登録完了

おおき循環センターから発生するメタン発酵消火液(有機液体肥料)の普通肥料登録が6月11日完了しました。その名も「くるっ肥」

これで市販の肥料と同じ扱いとなり、定期的な成分分析を行って安全性を確保する一方、販売することも可能となりました。

しかし、当分の間は、できるだけ多くの皆さんに「くるっ肥」を試していただきたいので、大木町にお住まいの方は無料とさせていただきます。循環センターでお分けしていますので、ぜひご活用ください。

バイオガス液肥活用シンポジューム

5月7日、環境学習室で「バイオガス液肥活用シンポジューム」を開催しました。

当日は、バイオガス液肥利用の第一人者である埼玉県小川町の桑原衛さんによる「液肥利用技術の講演」と、九州大学大学院農学研究院の山川武夫准教授による「大木町との液肥利用共同研究報告」があり、各分野から集まった30数名の参加者は、熱心に耳を傾けていました。

桑原さんの、「バイオガス液肥はビタミン類等微量要素が豊富で、苗の生育時期に散布すれば根の発育が旺盛になり、ひいては増収につながる。」との話に、くるるんで生産される液肥の幅広い可能性を感じることができました。

また、山川准教授は、「液肥の散布技術を高めれば、化学肥料とそん色なく栽培ができる。有機態窒素が徐々に分解するため、元肥一本での栽培も可能性がある。」とデータを示しながら報告いただきました。

現在、くるるんで生産される液肥“くるっ肥”は、普通肥料登録申請を行っています。登録後も定期的な成分分析を行っていきますので、安心してご利用ください。

また、近々循環センターに“くるっ肥スタンド”(無料)をオープン予定です。

↑ 桑原 衛 氏 (NPO法人小川町風土活用センター代表理事)

↑ 山川武夫 氏 (九州大学大学院農学研究院准教授)

大木町の概況

大木町の概況

福岡県南部筑後平野の中央部、水郷柳川に隣接した農業の町

人口約14500人、面積18.43平方キロ

掘割が町の面積の14%

この地方は古代「水沼の縣(あがた)」と呼ばれる沼地で、三潴郡の名称は水沼が変化して名づけられたと言われています。沼地であったこの地域で排水のよい地盤とするため先人が営々と作り上げたものが「堀」で、この堀が町全体を網の目のように巡り、農業用水や防火用水、生活廃水の放流先、地下水の涵養(かんよう)など生活と密接に関わっているのが町の特徴。堀の面積は町全体の14%を占めています。

近年では、生活廃水による集落内のクリーク(堀)の汚濁が問題化しており、住民団体を中心とした、堀再生への取り組みが盛んに行われています。

特産は、苺・シメジ・えのき・花ござなど

住民活動が盛ん(アース倶楽部など)

ooki.jpg

循環のまちづくりの取り組みが、

2006年2月にバイオマスタウンに認定されました。

建設経緯

それは~ごみ処理の限界から始まりました

建設される以前の大木町の生ゴミは、大川市の清掃センターで焼却されていました。

ゴミを焼却するときに、二酸化炭素が発生して、地球温暖化の原因になり、
とくに、生ごみは水分を多く含んでいるため、焼却の温度を引き下げ、
猛毒ダイオキシンを発生させる原因になっていたのです。

また、焼却後に1割程度残る焼却灰の処分場も不足していて、
焼却灰の処理費の高騰など、町の財政を圧迫していました。

し尿については、それまで海洋投棄に頼ってきました。
しかし、ロンドン条約<廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約>
により平成19年2月から、海洋投棄の禁止が決まっており、
早急な処理対策がもとめられていたのでした。

建設に至った<くるるん>は、従来型のごみ処理のみを行なう施設(迷惑施設と呼ばれたりする)とは大きく違う、町の暮らしに身近な存在として、建設された新しい考え方のバイオマスプラントです。

大木町の<循環のまちづくり>の拠点として、
これからも親しまれる<場>として、
大いに利用されることを使命としています。

また次期計画では、
くるるんでつくったエネルギーを利用しながら、
地産地消を推進するため、
地域食材を提供できる、郷土料理館や、
地域住民の皆さんが、憩い・集える
交流施設も併設予定です。

▲郷土料理館や交流広場などの交流施設は平成20年度の完成を目指しています。

液肥を活用する

液肥を活用する

■液肥の特徴
◎アミノ酸や植物ホルモン等、植物の活性に関わる微量要素や種々の有機酸を豊富に含み、肥料分(N、P、K)も豊富。

■年間約6000tの液肥生産を予定 (半年分貯留)
◎水稲・麦など土地利用型の作物に使用。
  ・水稲・麦  5t/10a
  ・散布面積 それぞれ約50ha

◎液肥散布車や流し肥え方式による散布

■液肥利用の課題
◎貯留と運搬・施肥方法の検討
◎成分調整と栽培技術(施肥基準など)の確立
◎臭い対策等の検討

食品成分表にみるピーマンの質の低下

『食品成分数』2訂(’54)~5訂(’01) 女子栄養大出版部より
※食べられる部分の100gあたりの成分値

1954年は「堆肥」だけで栽培していましたが、栄養価がこんなに違います。
それ以降は化学肥料と農薬が使われ始めました。

hyo.jpg

野菜の栄養価の変化

hyo02.jpg

台所と土と野菜の新たな関係

液肥成分予測(堆肥と化学肥料の中間の性質)

hyo03.jpg

水稲栽培試験 九州大学との共同研究

kenkyu.jpg

有害物質の含有予測

hyo04.jpg

液肥散布車による散布状況

sanpu.jpg