「環境のまちづくり」宣言

「環境のまちづくり」宣言

私たちは今、大きな岐路に立たされています。
これまでのような使い捨ての生活をつづけるのか、
それとも、限りある資源を繰り返し使う無駄のない生活スタイルを取り戻すのか‥‥
使い捨ての社会は、すでに限界を迎えています。
これからは、「もったいない」の価値観が
持続可能な社会を作るキーワードになります。

 美しい故郷を、もっと自慢できる故郷にして、
未来の世代に引き継ぐために、身近なところから始めましょう。

 おおき循環センター「くるるん」が完成し、
生ゴミなどの再資源化という新しい取り組みがスタートしました。

 私たちは、この取り組みを契機に、
何一つ無駄にしなかった先人の知恵に学び、
今後更に、循環のまちづくりを推進していくことをここに宣言します。

平成18年11月11日
循環のまちづくり推進委員 代表 荒木フサエ

地域循環システムを創る

~生ゴミを活かすための循環システムを創る~

生ゴミをごみ処理するのではなく、資源として活かすためには地域にあった循環システムを創ることが不可欠です。単にバイオガスプラントなどの機械(ハード)を導入するだけでは、エネルギーや液肥をうまく活用することが出来ません。ハードの導入だけではごみ処理の延長になる可能性が高く、農地に廃棄物をばら撒くことになりかねません。大木町では生ゴミを地域で活かすための循環システムを確立させることを目指しています。それは家庭からでる生ゴミの分別システム、地域にあったなるべく低コストのハードの選定、液肥の成分調査と使用技術の確立や散布方法、循環農産物の販売と地域への還元などの分野で実証研究を実施してきました。

大木町が目指す循環のまちづくり

大木町は住民活動が盛んで、福祉環境まちづくり子育てなどをテーマにした団体が活発に活動しています。このような住民団体の活動に支えられ、行政と住民のパートナーシップによるまちづくりが進んでいます。

また、特に循環型地域社会づくりを目指した様々な取り組みを、住民との協働により実施しています。

平成7年からは、近隣市町村に先駆けて資源ごみの分別収集を全行政区域で開始し、住民との共同作業によりごみ資源化に大きな成果を上げています。

平成12年度には、大木町地域エネルギービジョンを策定し、生ごみなどバイオマス資源の活用計画や、太陽光など自然エネルギーの導入計画、さらに≪あーすくらぶ≫などの住民団体が取り組んでいた、省エネルギープランも導入。

中でも、太陽光発電の普及は目覚しく、町内学校施設への太陽光発電設置事業や、住民団体と共同による町の温泉施設への地域共同発電所の設置。更に住宅用太陽光発電設置に対する補助事業、おおきグリーンファンドなどの住民団体との共同による啓発事業などにより急速に広がっています。

平成13年度から3年間、福岡県リサイクル総合研究センターとの共同事業により、長崎大学や佐賀大学、九州大学、福岡教育大学などの研究室や㈱クボタ、地域農業改良普及センターなどの関係機関、住民や農家など『産・官・学』が参加して、生ごみを地域循環させるための社会システムの確立を目指し、実証実験を含めた共同研究を行い、今日のバイオマスタウン構想の基礎を築いてきました。

平成16年度には「バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業・同事業調査」に取り組んでおり・生ごみ・し尿等有機廃棄物のバイオガスプラントによる資源化のための調査事業を実施してきたのです。

以上のような環境への取り組みの集大成が、現在大木町が目指している循環のまちづくりである。バイオマスタウン構想は大木町が目指す循環のまちづくりの中核を担っています。

循環のまちづくりの拠点施設として誕生!

おおき循環センターは、

大木町の環境政策の骨子となる<循環のまちづくり>の拠点施設です。

この施設は単にし尿等を処理する従来の迷惑施設的なものではなく、

持続可能な循環型社会を目指す町の中核施設として計画されました。

これまでゴミとして焼却・海洋投棄してきた有機物(生ゴミ、し尿、浄化槽汚泥)を

メタン発酵処理、発生させたメタンガスを燃料にして

電気や熱エネルギーを発生させ、施設内利用、

また、メタン発酵を終えて残った消化液を

有機液肥として農地に還元する研究も行うことができる

バイオガスプラントと関連施設です。

国道442号バイパス沿いという道路条件の良さも最大に活かせるよう整備いたしました。

事業地

 大溝西部地区国道442号線沿い非農用地(用地面積2.1ha)

主な導入施設

 バイオガスプラント  4500㎡

循環をイメージした「くるるん」という施設名(公募)で

事業は9月から実施スタートしました。

住民の皆さんとの協力体制を整え、いままで焼却していた

生ごみ、し尿や浄化槽汚泥などを何一つ無駄にしないように、

地域の中で利用し、循環させていくことを目標にしています。

循環学習、地産地消推進、交流拠点として

循環型社会や自然環境について学習・啓発機能を持つ施設であること。

有機液肥など、安全・安心農産物の消費推進の拠点施設であること。

地域住民が憩い・集う施設であること。

都市と農村の交流拠点であること。

を目指しています。

大木町循環のまちづくりの考え方

大木町ではわかりやすく目標を立てました。

◎循環のまちづくりの<4つの目標>です。

これをみんなで守り合い自分達の大切な町をつくって行こうと決めました。

■現在ごみになっているものを、地域資源として活かすこと

■住民・事業所・行政が役割分担し、それぞれが責任を果たすこと

■食やエネルギーを出来るだけ地域で自給すること

■「自然を大切にし、助け合い、汗を流し、何ひとつ無駄にしない」先人の暮らしの知恵に学ぶこと

循環のまちづくりは住民との協働作業

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循環型社会を国も目指しています。

「循環型社会形成推進基本計画」

平成12年6月に循環型社会形成推進基本法を制定。
循環元年として位置づけられました。

平成15年3月には基本計画を閣議決定。
バイオマス日本総合戦略など有機資源の循環を目指します。

循環型社会づくりのキイワードは「地域」・「住民協働」
循環社会づくりの主役は地域
地域住民や事業所・行政の協働が鍵
循環社会の構築は「まちづくり」の一環です。

ご紹介するのは2003年3月に閣議決定された一節です。
国は循環型社会づくりに動き出しました。

「自然界における環境は、
大気、水、土壌、生物等の間を物質が循環し、
生態系が微妙な均衡を保つことにより成り立っています。
このような環境の中に生かされている私たちが、
自然界から大量の資源を取り出し、
様々なものを大量に生産・消費し、
その後、不用となったものを自然界へ大量に廃棄していく、
いわゆる大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会を営んでいくことは、
自然界へ大きな負荷を与え、
ひいては私たちの社会を持続していくことを不可能にします。

「これから私たちが目指そうとする循環型社会では、
自然界から新たに採取する資源をできるだけ少なくし、
長期間社会で使用することや
既に使用されたものなどを再生資源として投入することにより、
最終的に自然界へ廃棄されるものをできるだけ少なくすることを基本とします。

「これにより、自然の循環を尊重し、
自然に負荷をかけない社会、
すなわち、資源を有効に活用し、
豊かな環境の恵みを享受できる質を重視した
社会を将来世代にわたり築きあげていきます。」