道路特定財源諸税の見直しの際は、地球温暖化防止の視点を!
来春の道路特定財源諸税(ガソリン税(揮発油税・地方道路税)・軽油引取税・自動車重量税・自動車取得税)の暫定税率の期限切れに向けて、私たちは以下のように提案する(下方左のイメージ図)。
なお、大きな方向として、温暖化防止のために化石燃料への課税を強化して行くことは当然であり、CO2削減のために全化石燃料に課税する炭素税(環境税)は、別途、上乗せで早期導入すべきである。
2007年11月
道路特定財源諸税の見直しの際は、地球温暖化防止の視点を!
~CO2排出を増やさないために最低でも税率を維持し、使途は道路以外にシフトすべき~
炭素税研究会/気候ネットワーク
来春の道路特定財源諸税(ガソリン税(揮発油税・地方道路税)・軽油引取税・自動車重量税・自動車取得税)の暫定税率の期限切れに向けて、私たちは以下のように提案する(下方左のイメージ図)。
なお、大きな方向として、温暖化防止のために化石燃料への課税を強化して行くことは当然であり、CO2削減のために全化石燃料に課税する炭素税(環境税)は、別途、上乗せで早期導入すべきである。
●燃料や自動車への税の税率引き下げはCO2排出増となり温暖化防止に逆行する、何らかの形で全体として最低でも今の税率を維持すべき
→暫定税率の廃止など燃料への税を引き下げる場合は、炭素税(環境税)などで同率以上の課税をすべき
→自動車車体への税率も維持すべきで、もし引き下げる場合は同等以上の燃料への課税強化を行うべき
今ある燃料や自動車への税は、本来の意図とは異なるが、社会的費用の一部を負担し、CO2排出を抑制する働きをしている。また日本の自動車燃料への税は、他の先進国よりもかなり低い(下方右のグラフ)。
仮にガソリン税・軽油引取税の暫定税率による上乗せ分の税率が下がると、短期(第1約束期間平均)では800万トン程度、長期には2400万トンものCO2排出増となってしまうと試算されている(注)。
従って地球温暖化防止の視点から、税率を引き下げる議論は決して容認できない。最低でも今の税率は維持すべきである。もし現行の燃料課税の税率を引き下げるならば、それに相当する税額(率)以上を、炭素税(環境税)や例えば「社会的費用負担税」などの新たな別の税として課すべきである。
また自動車(車体)への税(自動車重量税等)を引き下げる議論もあるが、それも間接的にCO2排出増を促してしまうので、基本的に維持すべきであり、もし引き下げる場合は同等(例えば、税収を変えないなど)以上の燃料課税強化を行うべきである(上記の炭素税(環境税)や「社会的費用負担税」など)。
●道路特定財源は過大でありCO2排出増を促しているので、縮小し一般財源化すべき
→基本的に、道路特定財源は使途をシフトして一般財源化して行くべき
道路を中心とする日本の公共事業費は過大であり、縮小すべきと多くの人が考えている。
来春の暫定税率の期限切れに際しては、例えば、道路特定財源の各税の上乗せ分(本則税率と暫定税率の差分)の使途を道路建設から一般財源に変更することなどが考えられる。また、本来一般財源なのに道路に使われている自動車重量税の一部は、早急に一般財源化すべきである。その後も道路予算の吟味を進め、基本的に一般財源化して行くべきである。
暫定税率分=道路財源本則税率分=道路財源・税率は何らかの形で維持・使途は道路からシフト・税の構成はいろいろ考えられる
<お問い合わせ先>気候ネットワーク(東京事務所 担当:畑直之)
〒102-0083東京都千代田区麹町2-7-3半蔵門ウッドフィールド2F TEL:03-3263-9210 E-Mail:tokyo@kikonet.org